論文掲載のお知らせ(ミー モー トウーザー研究員・カルキ シャム クマル研究員)

ミー モー トウーザー研究員、カルキ シャム クマル研究員が中心となって執筆した論文が「economies」に掲載されました。
詳しい内容はこちら ⇒ https://www.mdpi.com/2227-7099/13/4/112


本研究は、岡山県に居住する外国人労働者の長期的な定住意向を調査した。2024年1月から3月にかけて実施したアンケート調査の一次データを用いて、ベイジアン多項ロジスティック回帰モデルによる分析を行った。この手法は、パラメータの不確実性を捉え、移住者の定住意向のカテゴリカルな性質に対応できる新しい分析アプローチである。
主な研究結果は以下の通りである

  1. 在留資格、日本での居住経験、日本の教育機関の卒業が、長期的な定住意向に大きく影響を与える。
  2. 26歳から35歳の回答者は、他の年齢層よりも長く滞在する意向がある。
  3. ミャンマーやベトナムなど、開発の遅れた国からの回答者は、中国からの回答者よりも長く滞在する意向がある。
  4. 高学歴の移住者は、定住意向が低い傾向にあり、日本が熟練した外国人労働力を失う可能性を示唆している。
  5. 特に、技能実習制度の在留資格を持つ移住者は、高度専門職などの他の在留資格を持つ移住者よりも長く滞在する可能性が高い。
  6. 高学歴の労働者は長期滞在の意向が低い傾向にあり、将来的に日本が教育を受けた外国人労働力を失う可能性が高いことを示している。

これらの結果は、外国人労働者を受け入れ、長期的な定住を支援するための政策を策定する上で重要な意味を持つ。具体的には、地域社会への統合を促進し、職場での差別を減らし、長期的な定着を支援する在留資格の制度を設計することが重要である。

キーワード:定住意向、外国人労働者、多項ロジスティック回帰分析、日本