インドネシアにおける来日者のためのシステムの現状把握調査ー中間報告書ー

日本は2017 年に技能実習制度、2019 年に特定技能制度を創設し、国内の労働力不足の対応として外国人労働者を積極的に受け入れ始めた。昨今、GDP の比較的高い国を中心に移民労働者の受け入れを拡大している国が多くある中、将来的に、日本が労働者を受け入れていくにあたって、その環境がどのように変化していくのか不透明である。現地の視点から、現状の日本の労働者の受け入れシステムを調査し、将来の予測や現システムの改善の提言を行うことを目的に、インドネシアの送り出しに関するシステムの調査活動を開始した。現状の課題を明らかにし、持続可能な制度とするために、日本側の対応すべき点を整理したい。

現地インタビュー調査の結果概要は以下の通りである。

これらを受けて現時点で日本側が対応すべきと考えられる点は以下の3 点である。

  1. 技能実習制度の本来の趣旨である研修、技能移転という目的は、当該国においては求められている制度であると言える。新しい制度の枠組みにも、研修や技術習得、来日帰国後のメリットにつながる視点が必要ではないか。
  2. 来日前の研修プログラムを充実させるために日本側は積極的に関わるべきである。特に、日本語についてはプログラムの立案から、実教育の場の支援まで、幅広い人的支援が必要ではないか。
  3. 特定技能制度で来日を希望する者のための日本語試験、技術試験受験の十分な機会の提供が必要ではないか。

詳しい調査報告についてはこちらをご覧ください。

研究員:アンディ・ホリック・ラムダニ
    ワオデ・ハニファー・イスティコマー
    井上登紀子