ネパールにおける来日者のためのシステムの現状把握調査ー中間報告書ー
報告書概要
日本の外国人労働者を取り巻く環境において、ネパール人労働者の送り出しは構造的な課題に直面している。2023年末の統計では、在留外国人におけるネパール人は5.2%を占めるが、技能実習生は0.5%、特定技能は2%に留まり、その潜在力を十分に発揮できていない。
送り出し制度の不透明さが最大の障壁となっている。送り出し機関の役割や手数料に関する明確な政策が存在せず、認可手続きは複雑を極める。就労希望者は適切な情報提供を受けられず、多くが準備不足のまま応募プロセスに臨んでいる。
日本語能力試験や技能評価試験の受験機会の限定も、ネパール人労働者の日本での就労を困難にしている。加えて、ネパール政府の頻繁な政策変更は、安定的な人材送り出しをさらに阻害している。
この状況を打開するには、日本とネパール両国の政府による制度の抜本的な見直しが不可欠である。制度の透明化、情報提供の改善、受験機会の拡大を通じて、両国の経済的ニーズに応える持続可能な人材送り出しモデルを構築する必要がある。労働者の可能性を最大限に引き出すためには、包括的かつ戦略的なアプローチが求められる。
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研究員:カルキ シャム クマル