ー世界から選ばれる都市”岡山”を目指してー
まず、文献等により日本の在住外国人の実情及び受け入れ先進国の事例の調査を行い、特に技能実習生と留学生の実態に課題があることが分かった。岡山県内にはベトナム人技能実習生が多いが、高額の派遣手数料を支払い、借金を抱えて来日。低賃金労働で借金を返済できず失踪する者もいる。技能実習生への人権侵害も存在する。また留学生の中には働くことを目的に来日し、法定の週28時間を超えるアルバイトをする者も少なくない。ドイツ・カナダ・韓国は、日本より賃金が高く、定住可能な制度もあるため、日本が就労先として選ばれなくなりつつある実態も浮き彫りになった。
そこで、岡山県の在住外国人の実情、県内各地の企業や自治体の受け入れ体制、多文化共生への県民の意識を把握するために、在住外国人、岡山県民、各自治体、監理団体、企業へのアンケート調査を行った。その結果、県民や企業は外国人との共生に概ね前向きであること、各自治体で多言語の情報発信、日本語教室の開催など受け入れ体制は整いつつあるが、まだ多くの課題があること、地元住民との交流が活発な自治体がある一方で、ほとんど活動のない自治体もあり、地域格差があることなどが明らかになった。
担当研究者 NPO法人岡山県国際団体協議会 理事長 青山勲
研究期間 2021年4月1日~2022年3月31日