介護用アクティブエアーパッドの開発と実証試験
介護人材の必要数は2025年には243万人で32万人の不足が見込まれている。人手不足対策の一つとして事務作業を効率化するためのICTツールや様々な介護作業を支援する介護ロボットや介護支援機器の導入が期待されている。これらを活用した介護従事者の労力負担の軽減や介護現場の省人省力化は喫緊の課題である。
代表的な介護作業である被介護者のベッドと車椅子間の移乗や体位変換作業は介護者の腰痛の原因となることが多く、腰痛による離職者も少なくない。本研究ではこれらの課題を解決する手段として、被介護者の体重の一部を保持することよって介護者の負担を軽減する「介護用アクティブエアーパッド」を開発する。開発するエアーパッドはエアージャキと同様に空気による加圧によって膨張して持上げ力を発生し、介護者の負担を軽減する。
試作したエアーパッドの基本特性を測定するとともに、持上げ動作におけるアシスト効果を確認した。またマイクロコンピュータArduinoを用いた制御装置を構成して、状況に応じたプログラム制御を可能とした。さらに介護施設において開発した装置に対する介護従事者の意見を聴取し、その有用性を確認するとともに今後の課題を明らかにした。
担当研究者:美作大学・地域生活科学研究所 則次 俊郎
研究期間:2021年4月1日~2024年3月31日
研究についてのお問い合わせ先: ✉ toshiro@mimasaka.ac.jp URL https://mimasaka.jp