~世界から選ばれる都市“岡山”を目指して~

在住外国人の課題を調査し、対策案を検討した。県内外国人の約3割を占める技能実習生への法令違反や労働災害は少なくない。実習生の中には劣悪な労働環境に不満を抱き、高賃金を求めて失踪し、失踪先で犯罪に手を染める事例も少なくないという。特定技能への移行を希望する実習生から、紹介料を徴収して企業につなぐブローカーも暗躍している。その一方で、海外ではサプライチェーン全体において、人権侵害を予防する措置を義務付けるルールづくりが進んでいる。さらに欧米では、時給15ドルの最低賃金を求める運動が広がっている。  ネパール・ベトナム大使館へのインタビューから、同国人で互いに助け合っている状況が浮かび上がってきた。これは日本における支援が不足している現状を映し出していると言える。また、ドイツ・カナダ大使館へのインタビューからは、社会に統合するための支援が手厚く、差別を禁止し共生を推進する教育・啓発活動により、移民を積極的に受け入れる姿勢を持つ国民が多いことがわかる。県内外国人へのインタビューでは市民との交流を求める声が多く、外国人が受け入れられていると感じられる文化・社会の構築が不可欠となっている。

担当研究者:NPO法人岡山県国際団体協議会 理事長 青山勲
研究期間:2022年4月1日~2023年3月31日
研究についてのお問い合わせ先: office@coinn.org URL http://coinn.org/ja/