移住者に伝達される災害関連情報の内容を検証する

日本の自治体レベルの情報発信の事例

日本の多くの地方自治体は、防災教育の一環として、移住者に対して多言語で災害関連情報を発信し、防災政策をより包括的なものにしている。しかし、そのようなプログラムを通じて発信される情報の具体的な内容や、その内容がなぜ選ばれているのかについてはほとんどわかっていない。

本研究では、岡山県とその中心都市である岡山市を事例として、多言語で発信される災害関連情報の内容とその選択の背後にある前提を明らかにする。
地方自治体が発信する多言語で発信される災害関連情報の内容を、
 (1) 何が伝えられて、何が伝えられていないか
 (2) 政府は移住者をどのように見ているか
 (3) 移住者を対象とした情報発信の目的
に焦点を当てて帰納的に分析した。

岡山県の自治体が情報冊子やYouTube動画で発信している情報について質的内容分析を行った結果、移住者に予防や被害軽減策を積極的に講じることや、災害やその管理に関する前提知識の習得を促す内容が多かったことがわかった。
この内容の背景にある前提や期待(行動変容がどのように起こるか、災害への備えとして自立が期待されるかなど)と、その前提に関連する問題について議論する。

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