日本における一時移住労働者の権利意識
日本では、技能実習制度(TITP)の技能実習生は、日本人労働者に適用される労働に関する法と平等に関する諸々の法によって、法律上保護されている。しかし、解雇や本国に送還される事を恐れて妊娠を隠す技能実習生の報告が増えていることから、日本政府は、産休取得や解雇されない権利について、技能実習生の誤解や認識不足があると認識している。しかし、技能実習生が妊娠の権利をどのように認識し、どのように語るのかについては、文献で扱われていない。このギャップに対処するため、また妊娠の権利が技能実習生によってどのように解釈されているかをよりよく理解するために、技能実習生として来日した 7 人の女性に試行的にインタビューを行った。
権利について知ること以前に、妊娠する権利の実現可能性に対する不信感、そして妊娠する権利の価値に対する不信感が存在している。不公正を解釈するコンセプトによる情報によると、不信感は交差性(intersectional)のある抑圧から構成され、技能実習制度によりさらに強化される。技能実習生が妊娠の権利請求をしないことは、技能実習生の理解不十分とする政府の考えとは対象的に、不信感を口にする技能実習生は、妊娠の権利は実現不可能で価値がなく、妊娠した技能実習生は、実質的には本国に送還されるという技能実習制度のあり方について述べる。
研究員:秋吉湖音